皆さんこんにちは!理学療法士の高橋です。
急激に暑くなってきましたね;;熱中症等大丈夫でしょうか?こまめな水分補給して体調を崩さないように気を付けてください!
今回は『腰椎椎間板ヘルニア』についてです。椎間板ヘルニアという言葉は聞いたことがある方も多いと思います。
ヘルニアとは、組織が本来あるべき位置から脱出した状態のことを指します。つまり、椎間板が本来ある位置から脱出することにより障害を引き起こしている病態となります。

厳密に言うと、椎間板は中心にある髄核とそれを取り囲む線維輪という組織から成り立っています。椎間板ヘルニアでは髄核が脱出することで神経根を圧迫している病態となります。
腰椎椎間板ヘルニアの症状には以下のことが挙げられます。
①腰部、下肢の痛み
②下肢の感覚障害(感覚鈍麻、痺れ)
③下肢の筋力低下
④膀胱直腸障害(尿失禁等)
基本的に椎間板ヘルニアでは上記の図のように左右どちらかに偏って脱出するため片側の神経根のみを圧迫するのですが、重度の場合では後部の靭帯を突き破って脊髄を障害することがあります。下図の馬尾という所を圧迫します。馬の尻尾みたいな形をしているからそのような名前がついたと言われています。脊髄(馬尾)を圧迫すると上記の症状も両側に出現し、膀胱直腸障害を引き起こします。
椎間板ヘルニアで両側性の症状が出た場合は救急が必要ですので、激痛を伴ったり尿失禁等の症状が出ましたらすぐに119番した方が良いです。

では、椎間板ヘルニアとはどのようにして起こるのか?
まず椎間板の機能として以下のものが挙げられます。
①脊柱の可動性を高める
②耐圧性
上記の機能があることで、人間はスムーズに前後屈ができたり、転んだりしても腰を守ることができているのです。
しかし、年齢を重ねると椎間板が変性し弾力性を失ってきます。簡単に言うと外層の線維輪が劣化したゴムのような状態になります。劣化したゴムは伸ばすと切れますよね?本来、内層の髄核という組織は脊柱の動きに伴い動き線維輪の弾力性により椎間板の強度を高めます。ですが、椎間板変性が起こっていると、弾力性を失った線維輪は髄核を受けとめきれず裂けてしまい、髄核が脱出します。これが椎間板ヘルニアという病態なのです。
要点をまとめますと
1.椎間板は2層構造になっている
2.椎間板ヘルニアとは内部の髄核が線維輪を突き破ること
3.脱出した髄核が神経を圧迫する
4.両側症状or膀胱直腸障害が出現したら救急要請
といった所でしょうか。
本日はここまでとします。
皆様一週間お疲れ様です!来週からまた頑張っていきましょう。
日進月歩
 
山田整形外科