皆さんこんにちは!理学療法士の高橋です。

最近ランナーの理学療法をする機会が増えました。コロナの前まではがっつりマラソンをやっていたので、ランナーの患者様は全員私という感じになっていますねw完走を目指している方、4時間切りを目指している方、ウルトラマラソンをされる方など様々です。

今はスマホやパソコンのインターネットで簡単にいろいろ調べられるので患者さんの知識も豊富だったりします。患者さんにしっかり納得してもらうためにも理学療法士の説明は大変重要だと感じます。

先日来院された患者様でオーバープロネーションについて質問されました。オーバープロネーションという言葉が一般的になってきたのか不明ですが、テレビや雑誌、専門家等が間違ったことを伝えているため、誤った知識が植え付けられている可能性が非常に高いです。

下図が足部の運動になるのですが、簡潔に話すと足裏を内側に向ける動きが回外、足裏を外側に向ける動きが回内となります。

まず、オーバープロネーションとは?というところからですね。オーバープロネーション;over pronation 日本語にすると過回内です。足部が過剰に回内している状態をオーバープロネーションといいます。

おそらくほとんどの人がオーバープロネーションがなぜ良くないのか?という質問を投げかけたら、『内側アーチが潰れるから良くない』と答えるでしょう。では内側アーチの機能何か?ときちんと説明できる人は非常に少ないでしょう。私も何冊も本を読み、ようやく年数かかってわかってきた気がします。つまり、それだけ理解が大変ということです。

一般的に内側アーチいわゆる土踏まずが潰れていると良くない。アーチは高い方が良いという風潮があるのではないかなと感じております。ですが、実際にはそうではなくて歩行時に内側アーチは高くなったり低くなったりすることで機能を変化させているのです。

まず内側アーチが高くなると足部の剛性が高まります。剛性とは足部を一つの剛体として蹴り出し時の力を増幅させる働きをします。逆に内側縦アーチが低くなると足部の剛性は弱まり足部の柔軟性が高まります。踵接地後の衝撃吸収に役立っています。このアーチの高さを無意識下で調整していることで我々はスムーズな歩行を常に行うことができるのです。この内側アーチの高さの切り替えが行えなくなっている状態の一つとしてオーバープロネーションが存在します。

内側縦アーチが低くなりすぎた状態をオーバープロネーションと言うのですが、なぜオーバープロネーションが良くないのかを以下に羅列します。

  1. 足底の筋肉、靭帯、腱に過剰なストレス(+)
  2. 足部剛性低下により、蹴り出し時の推進力減少
  3. 足底内側荷重増加により、胼胝(たこ)形成
大きくはこの3つに収束され、どれか一つでも問題が起これば痛みやパフォーマンスの低下につながります。ランナーであれば、2の足部剛性の低下が運動パフォーマンスに大きく影響し、前方への推進力を減少させます。推進力が減少することにより、より筋活動が必要となり身体への負荷は増えます。42.195kmを走るには極力エネルギーロスは避けたいので、オーバープロネーションの方はすぐにでも改善するべきですね。

足部の問題により痛みがある、パフォーマンスが落ちていると感じている方はインソールにより改善できます。私が作成しているインソールは完全オーダーメイドで、患者様の歩いている状態を見て評価を進めていくため、より痛みやパフォーマンスに対しての再現性が高いです。

インソールでそんなに変わるわけないと思っている方がほとんどです。実際に作成された方しか効果はわかりません。お金もかかるしいきなり作るのは怖いと思う方は説明やデモンストレーション等行いますので、いつでもお声かけください。

本日はここまでです。

皆さんお疲れさまでした!

日進月歩

山田整形外科