皆さんこんにちは!理学療法士の高橋です。
人間は2足歩行を獲得し上肢の機能性を高めた代償として脊柱に大きな負担を強いられる事となりました。腰痛はヒトの宿命である・・・的な事をテレビや記事で見たことがあるようなないような・・・けども、誰でも一度は腰痛を自覚したことがあると思います。
なぜ人は腰痛をかかえてしまうのか、他の哺乳類と何が違うのかと言いますと、四足動物では脊柱は地面に対して水平に位置していますよね。しかし、人間の脊柱は地面に対して垂直に位置していますから荷重の影響を非常に受けやすいということになります。
例えば、物をどんどん積み上げていけば当然下にあるものは積み上げられた重さが負荷になるわけですから、腰椎は当然それよりも上の椎体の重さの影響を受けるためストレスがより多くかかるわけです。

上記の図は、脊柱の模式図になりますが、脊柱はS字カーブを描いていると良いとは聞いた事があるのではないですか?このS字カーブも人間の進化なのですが、脊柱が一直線の状態では垂直方向にかかる負荷を分散できません。しかし、S字カーブを描くことにより一つ一つの椎体が斜め方向に位置することにより垂直方向の負荷を分散し脊柱にかかるストレスを軽減しているのです。
またS字カーブにより荷重負荷を1/10程度に減らしているのですが、加齢により背骨が弯曲している方を見かける事よくありますよね。脊柱が弯曲している方ではS字カーブが少なくなるため、ストレスがより多くかかり痛みの原因になります。
本題に入ります。では、腰痛の原因は何か?
簡潔に述べますと、慢性腰痛に絞って言えば大きな原因は関節由来の腰痛か筋肉由来の腰痛です。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった疾患もありますが、これらの疾患は神経障害性疼痛も含まれ複雑になりますので、また別項で述べていきたいと思います。
脊柱は椎体が連結して構成されています。真ん中の大きい椎体だけでなく屈伸、側屈、回旋といった運動を行うため当然関節が存在しています。

上記の図の部分が椎間関節です。そしてこの椎間関節は腰を反ると関節が狭小化し痛みを発します。関節面は軟骨に覆われているため、実際に痛みを発しているのは関節包です。加齢に伴い椎間板が変性することで、椎体間は狭くなります。椎体間が狭くなることにより関節部分も狭くなり、関節にかかる負荷は増加します。その積み重ねによるストレスが軟骨を摩耗したり、関節包への持続的なストレス等により炎症が起こることで疼痛閾値が減少し痛みに対して敏感な状態になるのが慢性腰痛の元となっております。
では、筋肉由来の腰痛はどうでしょうか。筋肉に関しては、筋内圧というものが存在します。簡単に言うと、姿勢や動作によって筋肉に生じている圧力のことです。この筋内圧が上昇すれば当然筋肉にかかるストレスは大きくなります。
前屈動作では筋内圧は上昇し、後屈動作で筋内圧は減少します。
本日は以上となります。腰痛は筋肉が原因って思っている方が多いと思いますが、腰痛の原因には様々な要因があり、今回は関節由来の腰痛において詳しく説明していきました。腰痛で病院に来院する時は、前屈で痛いのか、後屈で痛いのかはっきりさせておくとお医者さんも腰痛の原因予測が行いやすいため患者様も診察時にはっきり伝えると良いですよ!
では、本日も一日頑張りましょう^^
日進月歩
 
山田整形外科