皆様こんにちは!理学療法士の高橋です。
寒い日がまだ続くなあと思ったらあっという間に夏の様な陽気になりましたね。今年は海に行きたいなあと考えている今日この頃です。
さて、本日は『膝関節の軟骨』について話していきたいと思います。
軟骨という言葉は良く聞くと思いますし、軟骨が減ると良くない!みたいな事は誰しもが口にします。ですが、軟骨の機能ってなんだろう?ときちんと説明できる方はあまりいないのではないでしょうか。その点について詳しく説明していきたいと思います!
まず、関節軟骨には硝子軟骨、線維軟骨、弾性軟骨の3種類が存在します。人体の可動性のある関節は硝子軟骨と思ってください。逆に可動性が少なく耐久性を重視した部分は線維軟骨で構成されており、顎関節や椎間板等が当てはまります。
硝子軟骨の主な機能は衝撃吸収と摩擦の軽減です。この軟骨があるから関節はスムーズに動く事が可能となっています。
では、軟骨が減るとどうなるのか?軟骨が摩耗し表面がザラザラした状態になったとします。そうするとどうでしょうか、なんとなくツルツル動いていた面がカクカクしそうな感じがしそうですね。変形性膝関節症の患者さんがよく膝がゴリゴリすると言いますが、これは軟骨が摩耗したことにより、大腿骨と脛骨の摩擦が増え膝関節を動かした時に引っかかるような状態となっているのです。

しかし、軟骨には感覚はありませんから、ゴリゴリしていても不快感が症状として出現しますが痛みは感じません。
テレビや雑誌等で言われるのが軟骨がすり減ると骨と骨がぶつかって痛みが出ると説明していますね。ですが、実際に軟骨が消失し骨と骨が衝突する状態は相当末期の状態であり、そのような人はほぼいないと言っても良いと思います。骨と骨が衝突すれば、骨膜には知覚神経がありますから当然痛みは感じますが、私は変形性膝関節症による痛みを訴えている患者様は骨膜の痛みではないと考えています。
では、軟骨が減るとなぜ良くないのか?
簡単に説明しますと、軟骨が減ることにより関節の圧分散能力が低下するのです。立位や歩行をしているときに必ず膝関節に荷重がかかります。軟骨があることにより荷重を広い接地面積で受けることにより荷重圧を分散することで膝関節への負担を減らします。私たちも広い面で身体の部位を押されるよりも、狭い面で押される方が圧を感じますよね?そう考えるとイメージしやすいかと思います。
ですが、軟骨が減ると軟骨の接地面積が減少し荷重によるストレスを軽減できなくなります。それが繰り返されることにより膝関節への負担は増大し、関節内で炎症が起こるわけです。その炎症による痛みが変形性膝関節症による鈍痛なのです。
どうでしょうか。なんとなく軟骨の役割はわかりましたか?本日は以上とします。
気温が急激に上昇してきて暑い日もありますが、お身体に気を付けてください。
日進月歩
山田整形外科