皆様こんにちは!理学療法士の高橋です。
桜が満開になると、雨や風であっという間に桜が散ってしまいますね;w;当院の前にある大岡川も満開で毎年綺麗だなと思いながら眺めています。私はソメイヨシノよりも、もう少し後に咲く八重桜が好きですね^^
さて、『変形性関節症』という言葉は皆さまも耳にしたことは必ずあると思います。テレビでも肩、膝、腰に関しては良く放送されていますよね。それだけ、肩、膝、腰に問題を抱えていう人が多いということでしょう。
例えば、『変形性膝関節症』ですと、X線で変形性膝関節症と診断される人は国内で約2500万人、膝痛等の症状を訴える人は約800万人います。十数人に一人の割合で膝痛を訴えていると考えると相当多い数ですよね。
変形性膝関節症は後天的に起こるもので、明確な原因はわかっておりません。ですが、近年変形性関節症も若年化してきているため、生活習慣等や運動量の低下等も関係しているのではないかと考えています。

上記のレントゲン画像は一般的に変形性膝関節症(内反型:O脚)と診断されるものとなっております。
膝の内側が狭くなって、軟骨がすり減って、それで痛いんです。と言われる事が9割以上かと思います。
確かに軟骨がすり減ると衝撃吸収がうまく行えず、関節にかかる負担は増大します。ですが、軟骨が痛いわけではないんですよ!軟骨には知覚神経がありません。そのため、当然痛みを感じる事もありません。
では、なぜ膝が痛くなるのか?気になりますよね。
軟骨がすり減る=関節が変性している。つまり、変形が進行しているということです。関節に変性が起こると、関節内では炎症が起こります。関節内で炎症が起こると、疼痛誘発物質が発生し痛みを感じたり、痛みに対して敏感になります。炎症が起こると、関節内では関節液が貯留し俗にいう『水がたまる』という状態になります。

関節は関節包という膜に包まれており、その中に関節液が存在しています。関節液は関節への衝撃吸収や関節の動きを滑らかにする働きがあるため必ずなくてはならないのですが、それが異常に増えすぎると、関節は膜に包まれているため関節液が増えすぎると関節の中はパンパンに張ってしまいます。水をいっぱいに入れたヨーヨーなどを想像するとイメージしやすいかもしれません。
そして関節包は線維膜と滑膜から構成されており、滑膜に炎症が起こった状態が一般的に言う関節炎という状態です。よく水を抜くと癖になると言う方がいますが、あれは癖ではなくて炎症が治まらなければ関節液は異常に増え続けます。そのため、関節液を抜いてもまた腫れるのは炎症が治まっていないからです。
変形性膝関節症では、関節が硬くなり膝が伸びにくくなったりしますよね。なんで硬くなるのか?それは関節包の滑膜が影響しています。
本来滑膜は柔軟性のある組織なのですが、炎症を繰り返すと滑膜にはコラーゲン組織が増殖し柔軟性が低下してしまいます。それを医療では関節拘縮と呼んでいます。関節拘縮は急激になるものではなく、時間をかけて構築されるものです。
そのため、膝の曲げ伸ばしが硬い、違和感がある、痛みがある等の症状がありましたら整形外科に受診を勧めます。時間が経過してからよりも、症状が軽いうちに治療をした方が改善も早く、他の関節等にも問題が起きません。
人間どこか痛くても、痛いところを庇って生活できますが、痛いところの負担は取れますが、別の場所に余計なストレスがかかるため新たな問題が出てくる可能性もあります。そのため、痛みがありましたら早急に受診をした方が良いのです^^
本日はここまでです。
皆様一週間お疲れさまでした!
日進月歩
 
山田整形外科