皆さんこんにちは!理学療法士の高橋です。

先日患者さんから体重落とさないと膝の痛みは取れませんか?と聞かれました。私は「いいえ、全くもって体重は関係ありません」とお伝えしました。膝に限らず腰や股関節等でも体重の増加=関節の痛みと捉えてしまっている方が非常に多いと感じますね。

それはなぜだろうかと思ってインターネットで変形性膝関節症の原因を調べました。

  • 老化の影響
  • 膝への荷重が大きくなる肥満の方
  • 膝周りの筋力の低下
  • 女性 (女性ホルモンや筋肉量が影響する)
  • 膝に負担の大きいスポーツ歴がある人
といったことが原因として羅列されていました。

検索のトップにこういった原因が出てくると、患者さんも『加齢のせいだ』、『体重が増えたからだ』と言われても納得してしまうのかもしれませんね^^;

確かに関節には体重による負荷はかかっています。ですが、膝関節で考えますと元々荷重負荷がかかる前提の関節ですから、体重の7倍以上のストレスに耐えられるようになっております。ということを踏まえて、10㎏痩せたからといって、膝関節への負担がそんなに減るとは思えなくないですか?

また膝関節においては、関節軟骨+半月板の軟骨組織が2層構造になっており、半月板に関してはコラーゲンの性質から耐圧性に優れている構造となっております。

では、関節にストレスを与える要因は何なのか?次の図を見てみましょう。



上の箱を大腿骨、下の箱を脛骨と思ってください。赤い丸が重心、黒い矢印が重心線になります。重心線が下の箱内に収まっていれば筋活動を必要とせず安定することができますが、実際にはありえません。あくまで仮定の話です。



次は上の箱が外側にずれた場合です。そうするとどうなるかと言いますと、荷重線が下の箱から外れることにより、上の箱には回転力といって外側にころがるような力が働きます。この回転力に対して拮抗する力が働かなければ上の箱は落下してしまいます。回転力に対して拮抗する力が筋肉であり、荷重線が下の箱から離れるほど回転力は大きくなるため、それを相殺する筋力は大きくなります。

まだ上の図が何を言っているのか不明な方も多いと思います。今度はO脚の人の場合を考えてみましょう。



O脚の方は膝関節が外側に変位してきます。細かく説明しますと、大腿骨の遠位部と脛骨の近位部が外側に変位します。そして、この外側に変位するというのが、先ほどの箱が外側にズレることの説明と類似します。この図の回転力は内反モーメントを指し外側に回転させる力のため身体を外側に倒す作用が働きます。この外側に倒す力を相殺する筋肉が太ももの外側にある筋肉です。そしてO脚が進行するほど内反モーメントは増大し、相殺する力も大きくなります。

ここで最も重要な事は、この図の青い矢印で示している回転力が大きくなるほど、関節にかかる負担が増えます。逆に考えると、この回転力を減らしてあげれば関節にかかる負担は減るということです。つまり、O脚変形の痛みに対して体重を減らす事を頑張るよりも、回転力をコントロールして筋活動を抑える方が効率が良いのです。

回転力をコントロールする治療法の一つとしてインソール療法があります。インソールにより足接地時の床反力(反発力)の向きをコントロールすることで関節にかかるストレスを軽減し痛みをとります。

本日はここまでです。

少々難しい内容になりましたが、変形性関節症の痛みを簡潔に言うとこういった状態になっております。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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山田整形外科